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弁護士 神坪浩喜 弁護士 林屋陽一郎
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Q 身内が亡くなったが、誰が財産を引き継ぐの?相続人は誰になるの?
まず、亡くなった方(被相続人)が、遺言書を書いていた場合には、原則として、その遺言書の内容に従って、財産が承継されます。
もっとも、被相続人の配偶者や子ども、父母については、遺言により、相続財産を取得できない場合であっても、遺留分(いりゅうぶん)という権利を行使することにより、一定の財産を取得できる可能性があります(兄弟姉妹に遺留分はありません)。
遺言書がない場合には、民法の規定に従って相続人と相続分が決定されます。
相続分は、配偶者と子の場合は1:1、配偶者と父母の場合は2:1、配偶者と兄弟姉妹の場合は3:1です。
※子が複数いる場合には、子の相続分を人数で均等配分します。
例えば、配偶者がいて子2人の場合
配偶者2分の1、子4分の1、4分の1
1.につき、離婚した配偶者や内縁関係の夫や妻には相続されません。
2.につき、
ア)被相続人死亡時に胎児であった子どもも生まれてきた場合には相続人になります。
イ)婚姻外で生まれてきた子どもについては、認知されていれば相続人となります(但し相続分は実子の2分の1)。
被相続人が亡くなった後で、裁判所に認知を請求する手続もあります。
ウ)被相続人が亡くなったとき、既に被相続人の子どもが亡くなっていて、その子ども(=被相続人の孫)や孫(被相続人のひ孫)がいる場合には、その方が相続人になります(代襲相続)。
3.につき、被相続人が亡くなったとき、被相続人の父母はいないが、祖父母がいるときは、祖父母が、相続人となります。
4.につき、兄弟姉妹についても、代襲相続があり、甥や姪が相続人になることもあります。
なお、相続人が誰もいない場合には、利害関係人の請求によって、家庭裁判所において相続財産の管理手続が行われ、特別縁故者に対して相続財産の分与がなされる場合があります。
相続財産としては、不動産(土地、建物)、預貯金、現金、有価証券、動産(自動車、
宝石、骨董品他)があります。
多額の相続財産があることが明らかである場合には、相続税申告のため、相続人が税理士に依頼していることが多く、ある程度調査が進んでいるケースが多いものと思われます。
以下は、自ら調査しなければならない場合の調査方法です。
法務局で登記簿謄本を取得し、名義を確認してみて下さい。
被相続人名義の不動産が一覧になっている名寄帳(土地家屋課税台帳とも呼ばれます)を
不動産所在地の市町村役所の資産税課で取り寄せることができる場合もあり、その場合、
被相続人の所有不動産が分かります。
通帳がある場合には、発行支店において残高証明書の発行・取引履歴の照会を依頼してみて下さい。通帳がない場合には、年金や給与の振込先の銀行に照会をかけるなど、被相続人の生活圏に存在する金融機関を一通りあたってみると預金の存在が分かる可能性があります
(その場合、被相続人の生前の状況から貸金庫の契約などをしている可能性があれば、併せて問い合わせてみるとよいでしょう)。
自宅内を調査することによって、証券や証券会社からの郵便物から有価証券の存在が見つかる場合もありますが、そうでない場合、通帳の履歴、銀行から取り寄せた取引履歴から、分かる場合もあるでしょう。
被相続人宛の郵便物、預金通帳の履歴を調べることで、被相続人の財産状況についていろいろと分かることがありますので、ご確認下さい。
Q 相続では何を分けるの?
原則:遺産相続の対象となるのは、
1)被相続人が亡くなったときに
2)被相続人の名義であった財産一切(負債・マイナスの財産も含みます)
例外として
1 祭祀財産
仏壇・仏具・お墓等については、遺産分割対象財産ではありません。
2 保険金
保険金は、保険契約の履行の対価として「受取人」に支払われるものですから、遺産ではありません。ただし、受取人が被相続人になっている場合には、保険金も遺産として、相続手続きを経て、被相続人が取得します。
Q 遺産から葬儀費用を出してもいいの?
葬儀費用は相続が開始されてから発生するため、遺産から当然に支出することはできません。裁判例では、「葬儀の主宰者」(単なる名目上の喪主は含まれません)が負担するとしているものもあります。しかしながら、実際の遺産分割の話し合いでは、相続人全員が合意して、遺産から支出することが多いでしょう。
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